2014年3月22日土曜日

BOOK STORAGE No.1 - 本がもっと好きになる8冊 -

L'SáGa 創刊号内の、ラルクファンの読書欲を刺激する特集
BOOK STORAGE -本がもっと好きになる8冊-」の中で
ひゅうがさん(@ho_trifle)にご紹介いただいた8冊を、
L'SáGa blogでも改めてご紹介します。


1:和歌に親しむ


 

BOOK 1:『オトメの和歌』

山下景子 著 / 明治書院 1,575円 ISBN:4625644046

BOOK 2:『二十四節気と七十二候の季節手帖』

山下景子 著 / 成美堂出版 1,260円 ISBN:4415314848

(創刊号:和歌とラルクの関わりを探る特集を受けて)
特集を読んで「もっと和歌について知りたい!」と思ったら『オトメの和歌』
万葉集や古今和歌集以外の歌集からも選ばれた恋愛の歌に、
「オトメ語」訳がついています。
掛詞や枕詞といった和歌特有のルールや古語の意味についてだけではなく、
歌を詠んだオトメがどんな人であったか、
どういった歌とのやりとりだったのかなどの解説もあり、
ゆるさとカタさのバランスが絶妙で肩肘を張らずに読める一冊。

『二十四節気と七十二候の季節手帖』は、
二十四節気七十二候の季節を挿し絵つきで一つ一つ丁寧にとりあげた解説書。
一月から順に読んでいくも良し、気になる箇所を拾い読みするのも良し。
二十四節気のページに載っている「時候のお菓子」も目に楽しい。
手になじみやすく、常に側へ置いておきたくなるような横長の判型なのも◎。
これを読めば和歌に織り込まれた季節の移り変わりをより身近に感じられるかも。



2:文豪を愛する


 

BOOK 3:『文人悪食』

嵐山光三郎 著 / 新潮社 788円 ISBN:4101419051

BOOK 4:『文豪の家』

高橋敏夫/ 田村景子 著  / エクスナレッジ 1,680円 ISBN:4767815533

古典と同じくおさえておきたい、でもなんとなく取っつきにくい…と
敬遠しがちなのが近現代のいわゆる「文豪」による作品。
でも文豪だってひとりの人間、ご飯も食べるしお酒も飲むのです!
そんな誰もが知っている文豪たちをその食生活から分析したのが『文人悪食』。
好きなもの、嫌いなもの、その食べ方から浮かび上がってくる人間像は
どこか憎めないところがあって、一人読み終えるごとに
彼らに対して抱いていたイメージが変わること必至。(ただしお腹も空きます)

『文豪の家』は、そのタイトルの通りに
文豪たちの住んでいた家や書斎の写真を並べた写真集。
みっしりと息苦しいまでに本が並ぶ江戸川乱歩の「乱歩の蔵」や、
和と洋の美しさが混じり合う谷崎潤一郎の「椅松庵」など、
その佇まいは作風にも通ずるものがあるから不思議。
豊富な写真と見取り図を眺めるのも楽しいけれど、
この本を片手に文豪の家を訪ねてみるのもおすすめ。



3:愛するがゆえの苦しみ


 

BOOK 5:『蔵書の苦しみ』

岡崎武志 著 /  光文社 819円 ISBN:4334037550

BOOK 6:『センセイの書斎 イラストルポ「本」のある仕事場』

内澤旬子 著  / 河出書房新社 788円 ISBN:430941060X

対象が何であれ、それを深く愛するがゆえに苦しむというのはつきもの。
『蔵書の苦しみ』は、筆者が2万冊を超える蔵書を縮小するに至った経緯や
その選別、処分の方法について綴ったエッセイ。
蔵書家で知られた作家たちのエピソードや筆者の周りの同好の士へのインタビューは、
本に限らずとも何かを集める趣味を持つ人ならば、
「わかる」と思わず漏らしてしまうことうけあい。
とは言え、この苦しみが「色事における『惚気』のようなもの」(あとがきより)
に見えるのは、やはりそこに愛があるからなのでしょう。

『センセイの書斎』に登場するのは作家や学者を始めとする
31人(図書館・書店を含む)の専門家。
「書斎」という言葉から想像されるような、
本に囲まれた仕事場を持つセンセイもいれば、
必要な部分だけ切り取って残りは捨ててしまうセンセイ、
放浪生活を続けながら執筆するセンセイもおり、
『蔵書の苦しみ』の蔵書家たちとはまた違った方法で本と付き合い、
ときに苦しんでいる様子が窺えます。
書斎の温度やにおいが伝わってきそうで、文字を追う視線を止めて思わずじっくりと眺めてしまう緻密なイラストも必見。



4:L'Arcの歌詞から―『月』


 

BOOK 7:『月 人との豊かなかかわりの歴史』

ベアント・ブルンナー 著/ 山川純子 訳 / 白水社 2,625円 ISBN:4560082537

BOOK 8:『月の名前』

高橋順子 文/ 佐藤秀明 写真  / デコ 2,625円 ISBN:4906905005

洋の東西を問わずはるか昔から人々を恐れさせ、
またそれ以上に魅了してきた月。
L'Arcの楽曲においても、Dune・ガラス玉・あなた・the silver shining…と
その存在は主題にならずとも象徴的に描かれることが多いように思います。

月にまつわる神話や伝統、科学の進歩や生物への影響といった
文化と歴史がまとめられた『月』
その姿を肉眼で眺めることしかできなかった古代でも、
アポロ11号が到達してから半世紀になろうとしている現在でも、
月は一貫として「人間の想像力が向けられる中心的存在」(序より)
であることを改めて思い知らされます。

『月の名前』は、月の満ち欠けや季節に合わせて生み出された
400の「月」を表す言葉を集めた一冊。
三日月や十五夜といった日常的に使われる言葉から、
月見草や月下美人などの植物の名前、
ひいては月見そばまで(!)並ぶその顔ぶれからは、
日本人が月に親しんできた歴史が伝わってきます。
言葉の解説に添えられた写真や詩歌はもちろんのこと、
月が登場する文学作品についてのエッセーや
50年分の中秋の名月の日付早見表といった本編以外の内容も充実。
空に浮かぶ月とこの本とを交互に眺めながら、
「今日の月はどの言葉だろう」なんて考えてみるのも楽しい。


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